「認知症とともに案外楽しく生きる」に参加しました!

先日、長野県高齢者生活協同組合 ボランティア芽ぶきの会が開催する「認知症とともに案外楽しく生きる」に参加させていただきました。
今回の研修では、認知症について学ぶだけでなく、参加者の皆さんと一緒に考え、実際に体験することで、認知症への理解を深める貴重な時間となりました。

認知症について、みんなで考える時間
研修のはじめには、認知症に対してどのようなイメージを持っているか、また、自分自身や家族が認知症になったらどう感じるかなど、それぞれの思いや考えを話し合いました。

認知症と聞くと、「忘れることが増える」「今までできていたことが難しくなる」「介護が大変になる」といったイメージを持つ方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、認知症について正しく知ることは、必要以上に不安を抱えるのではなく、これからの暮らしを考えるための第一歩です。
話し合いの中では、認知症にならないためには何が必要なのかというテーマについても考えました。
認知症の発症リスクを下げるためには、日頃の生活習慣が大切だといわれています。

例えば、

  • 運動:無理のない範囲で体を動かす
  • 食事:栄養バランスのよい食事を心掛ける
  • 睡眠:十分な休息をとり、生活リズムを整える
  • 社会交流:人との会話や交流を楽しむ
  • 脳への刺激:新しいことに挑戦したり、頭を使う活動を楽しんだりする
  • 感覚機能の維持:視力や聴力などの変化に気を配り、必要に応じて適切なケアを受ける
  • 生活習慣の改善:日々の暮らしを見直し、健康的な生活を心掛ける

こうして挙げてみると、特別なことばかりではなく、普段の暮らしの中で意識できることもたくさんあります。
もちろん、これらに取り組めば必ず認知症にならないというわけではありません。それでも、毎日の生活を大切にし、人とのつながりや楽しみを持ち続けることは、これからの人生を豊かにすることにもつながるのではないでしょうか。

いよいよ認知症VR体験!
一通り学んだあとは、今回の研修の大きなポイントでもある「認知症VR体験」を行いました。
VRを通して、認知症の方が感じることのある見え方や聞こえ方、周囲の状況を理解しにくくなる感覚などを疑似体験します。
実際に体験してみると、普段の生活では当たり前にできていることが、思うようにできない場面がありました。
例えば、距離感がつかみにくくなり、目の前にあるものとの位置関係が分かりづらくなる体験。さらに、幻聴や幻視を疑似体験することで、周囲の人には分からない音や、実際には存在しないものが見えるといった状況が、本人にとってどれほど不思議で戸惑うものなのかを考えさせられました。
また、見当識障害の体験では、今、自分がどこにいるのか分からなくなり、状況を理解できずにパニックになってしまう感覚を体験しました。
自分にとっては見慣れた場所でも、本人にとっては見知らぬ場所のように感じられるかもしれません。周囲の人が「ここにいるのだから大丈夫」と思っていても、本人は本当に不安で、どうしたらよいのか分からずにいる可能性があるのです。
頭では理解しているつもりでも、実際に体験してみることで初めて気づくことがあります。
認知症の方が戸惑ったり、不安になったりする背景には、私たちが普段想像している以上に、周囲の状況を理解しにくいという難しさがあるのかもしれません。

体験してみたからこそ生まれる、さまざまな感想
VR体験を終えた参加者の皆さんからは、さまざまな感想が聞かれました。
「認知症もいいものだね」と冗談交じりに話す方もいれば、「怖い、怖い」と恐る恐る動いてみる方も。あまりにも普段の現実とかけ離れた体験に、驚きを隠せない方もいらっしゃいました。
同じ体験をしても、感じ方や受け止め方は人それぞれです。
冗談を交えながら感想を話せるのも、参加者同士で体験を共有できたからこそかもしれません。一方で、実際に体験してみて初めて、その怖さや不安を実感した方もいらっしゃったようです。
認知症を必要以上に怖がるのではなく、かといって軽く考えるのでもなく、まずは知ること。そして、本人がどのような気持ちで過ごしているのかを想像してみること。
今回のVR体験は、そんな大切なことを改めて考えるきっかけになりました。
認知症になったとしても、その人らしさがなくなるわけではありません。好きなことや楽しみ、人とのつながりを大切にしながら暮らしていくためには、周囲の理解やちょっとした工夫も必要なのだと感じました。

体験のあとは、福祉用具の展示会を開催!
認知症について学び、理解を深めたあとは、私たち福祉事業部による福祉用具の展示会を開催させていただきました。
今回は、認知症のある方にも安全に使っていただけるような福祉用具を中心に、いくつかの商品をご紹介しました。
福祉用具というと、介護が必要になってから使うもの、あるいは体の不自由な方が使うものというイメージがあるかもしれません。
しかし、福祉用具には、転倒などの危険を減らしたり、日常生活での困りごとを軽減したり、ご本人だけでなくご家族の負担を和らげたりする役割もあります。
認知症のある方が安心して暮らすためにも、ご本人の状態や生活環境に合った用具を選ぶことは大切です。
展示会では、参加者の皆さんに実際に商品を見て、触れていただきました。
「こういうものがあるんだね」と興味を持ってくださる方や、商品を手に取りながら、ご自身のこれからの暮らしを想像されているような方もいらっしゃいました。
今は元気に生活していても、年齢を重ねるにつれて、体の状態や生活環境が変化することは誰にでも起こり得ます。
だからこそ、元気なうちから福祉用具について知っておくことは、いざというときの安心につながるのではないでしょうか。
「いつか自分も使うかもしれない」
そんな気持ちで関心を寄せていただけたことを、私たちも大変うれしく感じました。
福祉用具は、介護が必要になってから初めて考えるものではなく、これからの暮らしをより安全に、より快適にするための選択肢の一つです。実際に見て、触れて、知っていただくことで、福祉用具をもっと身近に感じていただけたらと思います。
認知症とともに、自分らしく暮らしていくために
今回の「認知症とともに案外楽しく生きる」への参加を通して、認知症について知識を深めるだけでなく、本人の立場に立って考えることの大切さを改めて学びました。
認知症は、誰にとっても決して他人事ではありません。自分自身や家族、身近な人が認知症になる可能性もあります。
そんなとき、認知症だからといって何もかも諦めてしまうのではなく、どうすれば安心して暮らせるのか、どうすれば楽しみを持ち続けられるのかを、本人や周囲の人たちと一緒に考えていくことが大切なのだと思います。
そして私たち福祉事業部も、福祉用具を通して、皆さんが住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるよう、お手伝いしていきたいと考えています。
今回のような学びの場や展示会を通じて、福祉用具や介護について、元気なうちから気軽に知っていただく機会をこれからも大切にしていきたいと思います。

長野県高齢者生活協同組合 ボランティア芽ぶきの会の皆さま、貴重な学びの機会をありがとうございました。
認知症について知ること。相手の立場になって考えること。そして、これからの暮らしについて、少しずつ備えておくこと。
今回の体験が、参加された皆さんにとっても、私たちにとっても、これからの暮らしを考えるきっかけになればうれしく思います。

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